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2002年08月17日

戦争童話集

『戦争童話集』(1980年初版発行・中公文庫)

参考に、編集されている“童話”(注文しようとした書店の20代の店員から、「児童書ですねえ」とけげんな顔をされました。「そりゃ、童話集ですから、当たり前でしょ」って答えましたが。おとなが読んで、なにが悪い!)を紹介します。

  1. 小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話
  2. 青いオウムと痩せた男の子の話
  3. 干からびた象と象使いの話
  4. 凧になったお母さん
  5. 年老いた雌狼と女の子の話
  6. 赤とんぼと、あぶら虫
  7. ソルジャーズ・ファミリー
  8. ぼくの防空壕
  9. 八月の風船
  10. 馬と兵士
  11. 捕虜と女の子
  12. 焼跡の、お菓子の木
どれも、子どもや、動物たちが主人公の話ばかりです。

どの話も、私は朗読が好きなので声に出して読みすすめるのですが、途中でどうしても読めなくなってしまう……。あまりに切ないお話ばかりで。でも、実際にあったことの数万分の一の、その象徴としてのお話なのだということを、思いながら、それで、なお、切なくなって、涙なしにはさきを読みすすめられませんでした。

なにより、戦争という、一部のおとなが政治的に引き起こす事柄のなかで、もっとも被害を受けたのは、もっとも弱い立場の子ども、女性、動物たちだったということ。その切なさが胸にしみます。

野坂氏の童話のなかには、侵略者としての日本人が、あの8月15日を境に、侵略地で、どのような行動をとったのか、ということにもふれて、そのなかでも一番、しわ寄せをくったのは、赤ん坊や幼児たちだったことを、きちんと描いています。

2003年03月16日

いい本。手放してはいけない本。

PCやオーディオ系統の整理も終わった。配線をもういちどしなおして、コードをまとめて、こんがらがっていたものを、見栄えよくする。

台所の整理もあらかた終わって、あらためて本棚をみると、もっと思い切って捨てられるものがあったと、数冊ぬきとって、こんどの「資源ごみ」の日に備えていた。

本棚を整理しおえたときに、自分自身に基準を設けたのだったっけ。図書館で間に合うものは買わない……。でも、ぬきとった本を、数日経ってあらためてながめていて、どうも、あの本だけは、手に入らないかもしれない、と思った。たぶん、書店でも、いまでは簡単に手に入らないかもしれない。なにも、古書の類ではないし、プレミアがついているわけではないだろうけれど、この本から受けた感動を、逃したくない。そう思い直して、もう一度棚へかえした本が、以下の本である。

斉藤隆介作/滝平二郎絵 『ベロ出しチョンマ』 理論社 (消費税導入前に購入)

斉藤隆介作/滝平二郎絵 『天に花咲け』 新日本出版社 (おなじく…)

木下蓮三・小夜子作 『ピカドン PICA-DON』 K.K.ダイナミックセラーズ

2003年07月05日

ハリー・ポッター4巻上読了

本を買ってから読み始めるまでがまず長かった。

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[著者] J. K. ローリングJ. K. Rowling
[種類] 単行本
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読み始めても第1章がなんとも唐突で、第2章のあの胸糞悪いダーズリー一家の描写にたえることしばらく……。そこでたえきれずにストップ。

それから約半年くらい間をおいてようやく読了。それも上巻だけ。でも、ほんと、5日間かかったけど、ほとんど一気に読んじゃったもんな。ローリングさんと訳者の松岡さんに敬服。

2003年07月08日

ハリー・ポッター4巻下読了

きょうは定休日。午前中ひと寝入りする前にようやく読了。

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なんかすごい展開。魔法界で「闇の魔法」による支配をほこっていたヴォルデモードがとうとう復活。しかし、ラスト近くでのヴォルデモードとハリーの対決はすごかった。あのクゥイディッチ試合の描写以上に、まるで映画を見ているよう。

圧倒的に力量のちがう相手を前に、さいごのさいごまであきらめずに立ち向かうハリーの態度に喝采を送った。ハリーのこういう姿に世界のファンもきっと喝采を送っているのだ。

現実世界にも似たような人や試練はたくさんあって、それから逃避するために、この本の世界に逃げ込んでいる人が多いのだろうかと思っていた。しかし、魔法界でも、魔法があるからこそできることもある一方で、魔法界だからこそ余計陰惨で滑稽で悲しいこともたくさんあるのだ。

この物語のなかで描かれるのは、たのしいことや心地よいことばかりではない。むしろ、独特の「闇」がある。親友の裏切り、身近な人の死や不幸、陰惨な殺人……。それなのになぜファンが多いかというと、やはり、この物語のなかに描かれている、信頼や友情や、試練に立ち向かう気概と勇気などが、現実世界でたたかい疲れている人たちを励ましているのだと思う。

2003年07月20日

『資本論』ノート奮闘中

『資本論』ノートは、まだ第1部第12章第4節のところでもたついている。なんとか12章を全部ノートし終えてからUplodeしようと思っているのだが。

あっちこっち目移りして、行きつ戻りつしながらノートしているから、なかなかスイスイとすすまない。

そうこうしているうちに、共産党の不破哲三氏が共産党本部で行なった『資本論』全三部の講義集の発行がはじまってしまった。ノートしたところまで読むことにして、ノートしていないところは、醍醐味がなくなるから読まないようにしよう。とりあえず購入して積読状態にしてある。いまのところ発行は全7冊とのことで、いま2冊まで発行されている。

2003年07月29日

『指輪物語 旅の仲間』佳境

もう数カ月前に購入しているのにちっとも読み進めていなかった。

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[著者] 瀬田 貞二田中 明子J.R.R. トールキン
[種類] 文庫
[発売日] 1997-02
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週に1度の休みの日にも、読めたり、寝る方がよくて読めなかったり。

ハリーポッター・シリーズもそうだけど、物語というのは、映画やアニメとちがって、読み始めの“食いつき”の良し悪しというのはあまりないようだ。どんな物語にしろ、その世界に入り込むまでに「忍耐」を要する。

指輪物語の第一作「旅の仲間」篇も、はじめのホビット庄の描写になれるまでに時間がかかったが、いま読んでいるガラドリエルの森――ロスロリアンにいたるまでの、モリアでの活劇とガンダルフを襲った悲劇の描写のすさまじさも、このホビット庄の牧歌的な生活を丹念に描いていたからこそ、より波乱あり涙ありの心地よさとなるのだろう。

私が購入したのは、10年ほど前に文庫本4分冊として刊行されたもの。いまようやく第4冊目に入った。さきに映画を観て、ぜひとも原作を読みたいと思っていた。映画も時間の都合でかなり編集のためにカットされた部分があるらしく、公式サイトで紹介されているDVDには、完全版が収録されているそうな。しかし、原作はより緻密に、トールキンの壮大な世界を描き出す。しかしまったく、トールキン独特のものか、西欧の感覚かはわからないが、自然にたいする感覚のするどさに驚く。

2003年08月01日

資本論ノート12章アップ

参照すべき文献をどうもまちがえているようだ。資本論第1部第12章のなかに、アダム・スミスの「国家による国民教育の必要性」の主張について、書かれている部分がある。マルクスの『哲学の貧困』のなかでそれが考察されていると思っていたのだが、それに該当する叙述部分がどうしても見当たらない。どうも『諸国民の富』に直接展開されているらしい。

とはいえ、いまはちょっと支払いが集中する時期で本を買うにはタイミングが悪いし、たぶんゆっくり手元において読むというふうにはならないだろうから、県立か市立の図書館で探してみるつもり。なかったらどうしよう。

2003年08月23日

とうとう買ってしまった

トールキンの『指輪物語』を読み終えたらどうしても読みたくなったのが、『指輪物語』以前にトールキンが発行したという『ホビット』。

先日の休みに近所の本屋に立ち寄ったときに本棚を探したら、やはりあった。

今月は帰省のためにずいぶんやりくりしなければならなかったし、しばらくは大きな買い物などできないなと思っていたから、ハードカバーの本を買うなどそもそも論外だったはずなのだが、誘惑に負けてしまった。

買った本には幸いていねいな解説が掲載されていて、トールキンの執筆経過や苦労話、そしてこの壮大な物語世界の概観も添えてあるのでありがたい。

邦訳の題名は『ホビット ゆきてかえりし物語』。原題は“The Hobbit - There and Back Again”。『指輪物語』を読んだだけではよくわからなかったホビット庄の生活がもっとくわしくわかるかもしれないし、フロドがいったい人間からみて何歳に見えたのかもわかるかもしれない。ホビットの見かけ上の年齢についての描写は『指輪物語』ではようやく「王の帰還」篇のなかの、ピピンことペレグリンと、ミナス・ティリスの近衛兵ベレゴンドとの会話や、ベレゴンドの息子ベアギルとの会話から、おぼろげにわかる程度だったから。

2004年01月25日

二人のガスコン

『二人のガスコン』(Les Deux Gascons)。たしか2002年1月に購入したはずだ。

3冊とも「第1刷」で、2001年1月から3月にかけて講談社から発行されている。しかしこの3冊とも読み終えたのは2004年1月だ。発行されてから3年目、購入してから2年近く経って、ようやく読み終えることができた。帰省のため、手持ち無沙汰な長い時間、読書以外にできることがなかったからだ。
佐藤賢一さんの小説に登場する英雄像の原点は、このダルタニャンだったか、と思った。あえてつけ加えると、デュマの書いたダルタニャンではなく、「この作品の」ダルタニャンである。

女性への矛盾する思慕。現実の社会的地位と理想との間で動揺しながらも信念に生きようとする志向。作品のなかで、はじめて登場する場面からさいごの大団円にかけて、どんな年齢の主人公であっても、必ずなにかしら成長を感じさせる若々しさ。これまで読んできた彼の作品に登場してきた主人公の男性たちに共通する、これらの要素が、この作品に登場するダルタニャンにすべて盛り込まれている。

佐藤賢一さんの小説で少々鼻についていた心理描写のくどさを、この作品のはじめの部分でやはり感じないではなかったけれど、読みすすむにつれて邪魔にならなくなる。現実のさまざまな不条理にたいする作者自身の抵抗のようなものを感じてくるからだ。作者自身が悪ぶろうとしているかのようで、それを登場人物に投射しているかのようだ。そう考えると、これまでの作品の主人公の言動がもっていた矛盾も説明がつくような気がする。

いつもながら感嘆させられるパリの街の描写。それも「当時」の街の描写である。かなり精密な知識と、豊かな想像力がなければ、到底不可能だろう。佐藤氏が英仏百年戦争について書いた新書が出版されているとのこと。これまた懐に余裕ができたらぜひとも読んでみたいものだ。

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