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岡本知高くんのCD

先週、いつも昼定食でお世話になっている食堂の奥さんと映画の話になった。

奥さんがこんなふうに言っていた。

「期待して見に行った映画より、何の気なしに入った映画館で観た映画の方に感動することが多いのよねえ」

岡本知高さんのCDを聴いていて、その奥さんの言葉を思い出した。成人男性でありながら、ソプラノの音域までの声を出すことのできる逸材だという、専らの評判で、男性音域の重厚さとソプラノの透き通った声とを同時に聴くことができることのすばらしさを期待していたのだ。

購入したCDは“Sopranista”。

黒田恭一という人が、CD添付の評論のなかで

「その声の珍しさに驚くことにとどまっていて、歌い手としての素晴らしさに気づかないでいる人が多い」

「表現力豊かな声」

と絶賛している。

私は、映画「Diva」で、歌劇「ワリー」のなかのアリア「さよなら、ふるさとの家よ」を聴いて、その素晴らしさにうっとりとしたものだ。歌っていたのは、Wilhelmenia Wiggins Fernandez。しばらくして、サウンドトラックCDを見つけて、迷わず購入した。

その同じ歌が、岡本知高さんの「ソプラニスタ」のなかにも挿入されているが、期待していただけに、聞き比べると、彼の声の荒さがはっきりと聞き取れてしまう。

男性でありながら、高音域で歌うことのできる歌手といえば、かのアニメ映画「もののけ姫」で一躍注目をあびた米良美一さんが日本人では有名だ。彼のCDアルバムも購入しているが、音域では岡本さんの方が高音域を出せているけれど、表現力や声の深さは、米良美一さんの方が優れている。

ソプラノの音域で歌われるアリアも、「ワリー」しかり、「ジャンニ・スキッキ」しかり。どちらの有名なアリア(「ジャンニ・スキッキ」は「私のお父さん」)も本物のソプラノ歌手の表現力には勝っているとは思わない。むしろ声の浅さが耳についてしまう。ただ高い声を張り上げているだけとしか聴こえない。

せっかくの贈り物である声を、もっと生かす訓練と知的修養が必要なのではないかと思う。

絶賛されるのは早すぎた。

コメント (2)

はじめまして、keiyou-aiと申します。

岡本さんの歌は、デビュー時と留学から帰国後にお聞きしましたが、おっしゃるとおり声量や高音部は伸びますが、深みや情感に乏しいように思いました。米良さんは、声量こそ少し弱いですが、端正な表現力、歌詞の意味を深く理解した表現力が抜群かと…。

岡本さんも米良さんも、とても希少な声の持ち主だと思いますので、声を大切にして更に磨きをかけて頂きたいなあと思っております。

Kyawa:

こちらこそ。コメントありがとう。
まだCDもってるんですけど、1度かけたっきり。もう一度聞きなおしてみようかな。
記事を書いたのは、1年以上前になります。
これまで、幾度か、番組などで、彼の歌声を聞く機会がありました。
タレント慣れしないで、ぜひ、天性の宝を磨き上げていってほしいもんです。
切に祈っとります。

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