StarTrekシリーズのSFドラマが好きで、CSでよく視聴している。公式HPでだったか、別のチャンネルでだったか、このシリーズのコンセプトが「宇宙を舞台にした西部劇」だとのこと。なるほど。そういう目でみれば、それなりに楽しめる内容が満載。未来社会への想像も面白い。
ただ、現実的に考えると、武装した宇宙船や、ほかの惑星の知的生命体との武力衝突などという設定は、ナンセンスである。
現在の天文学の到達点によれば、知的生命体の存在自体はもちろん肯定できるけれども、その存在は地球をふくめた太陽系をはるか離れること何万光年という距離になるだろうとのこと。
恒星間旅行ができるだけの技術的科学的発展と、それを支えることのできる社会が前提とならなければならない。例えば、現在進行中のイラク戦争のような、あるいは、南北間格差といわれる地球的規模の貧富の格差の増大や、人類の存続さえ危ぶまれるオゾンホール破壊にたいして国際社会が対応しようとしている二酸化炭素排出の規制が国家的政治的「利益」を理由に中断されている状況や、核兵器の研究・開発・配備などを目の当たりにしていると、SF小説やドラマで想定されているよりも、はるかに時間がかかるだろうと考えざるを得ないのだ。恒星間旅行やら、ほかの恒星系惑星に発展している知的生命体との接触やらが可能となる時代が。
人類が、それぞれの価値観を認め合い、ちがう文化を認知し合える段階に到達し、利潤だけが基準となる価値観を乗り越え、人間のあらゆる可能性を発現できる条件を社会的に保障しうる段階に到達し、国際社会がそれを阻害しない国際倫理を確立するまでは、遠く隔てられた、地球以外に存在するはずの知的生命体との接触を保障する技術的保障も倫理的保障もないだろうと思うのだ。
だって、同じ天体の上に生きているものどうしでさえ、これほどいがみあっているのに。
これで3回目だが、CSでルドルフ・ヌレエフのドキュメンタリーを視聴した。
軸のずれない回転、ジャンプの高さなどの技術的な面だけでなく、それらがヌレエフ自身の思考を、見ている側に感じさせる表現力。ずば抜けた逸材である。
自分自身の身体をコントロールする術を熟知していなければできないことだろうし、それにかてて加えてリズムや曲の印象を的確にとらえることのできる知性と感性が求められるのだが、彼はそれらを懸命に自分のものにしようと努力を積み重ねてきたらしい。CSのドキュメンタリーでは、彼がプロデューサーとして、舞台の監督として経験した辛酸をふくめて、丁寧に後追いしている。ソ連の変遷をも通して。彼が指導者としての才能も持ち合わせていることも、教え子たちの証言を通して浮き彫りにしている。
実際に映像でみる彼の演技には魅了される。あまりのすばらしさに、思わず口が開いてしまうのである。
バランシンなどの彼に対する評価も傾聴に値する。彼は一ダンサーとしてだけではなく、振り付けからプロデュースにいたるまで、彼のインスピレーションの表現に関して、とことんこだわったアーティストだったということがよく分かる特集であった。